Hibiki Path Advisors SPC(「私ども」または「弊社」といいます。)の主要投資先の一社である日本高純度化学株式会社(以下「当社」または「JPC」といいます。)が、2026年4月24日に2026年3月期決算及び中期経営計画の資本政策見直しを開示しました。
今回の開示は、本業の収益動向そのもの以上に、当社の資本政策に明確な変化が見られた点で、企業価値向上に向けた前向きな姿勢の変化が期待できる内容だったと感じております。特に、政策保有株式の売却加速と、その売却資金を活用した株主還元強化が、中期経営計画の見直しとして正式に位置付けられたことは、当社のバランスシート運営の考え方そのものに変化が生じ始めていることを示す、重要な転換と感じており、喜びをもって受け止めています。
まず、26/3期の業績について簡単に触れますと、売上高18,073百万円(前期比43.3%増)、営業利益576百万円(同14.7%増)、経常利益776百万円(同18.0%増)、当期純利益1,803百万円(同14.2%増)となりました。全体として、AI関連の半導体パッケージや光通信モジュール向けの需要に裏打ちされた堅調な決算となり、当社がAIを中心とする高付加価値成長領域において、競争力を有していることが確認できる内容でした。
しかしながら、今回の開示でより本質的なのは、業績そのものよりも資本政策の転換です。当社は27/3期見通しにおいて、営業利益610百万円(前期比5.8%増)と安定的な成長を見込む一方で、当期純利益については2,170百万円(同20.3%増)の大幅な増加を計画しています。この背景には、政策保有株式の売却加速と、余剰資産の縮小を伴う資産ポートフォリオの見直しに向けた変化の具体化があると考えます。
図1:JPCの2027年3月期 見通し

(出所:JPC 2026年3月期決算説明資料)
同時に発表された当社の中期経営計画における資本政策の見直しを確認すると、政策保有株式の流動化を従来の25〜30億円から70〜75億円へと従来比で大幅に引き上げています。26/3期に17.4億円の売却を実施しておりますが、残期間においては、それを上回る規模とスピードとなる2年間で52〜58億円の売却を進める計画であり、26/3期末時点の政策保有株式残高約107億円の約50%を2年間で売却するということを意味しています。
加えて、政策保有株式の大部分はイビデンやフジクラ等を含めた半導体・光通信関連企業であるため、当社の3月末基準での決算発表以降にもバランスシート上の投資有価証券の評価額は大幅に上昇していることが見込まれることから、追加的な政策保有株式の流動化余地が存在する可能性もあると考えています。
更に、株主還元についても、2026年初以降では従来とは明確に異なる方針を打ち出しています。当社は2026年1月26日に、26/3期の通期配当予想を1株当たり126円から200円へと59%程度引き上げていましたが、今回さらに27/3期の通期配当予想を230円(+15%)に増額しました。中期経営計画全体での株主還元額についても、昨年設定した35〜40億円から65〜70億円へ大幅に引き上げられているため、仮に今回発表された27/3期と同水準となる一株当たり230円の配当水準が28/3期も維持される前提においても、27〜32億円の追加的な還元余地が存在する可能性があり¹、一過性の対応ではなく、継続的な資本効率改善への移行となることを期待しています。
図2:中期経営計画における資本政策の見直し(株主還元の拡充)

(出所:JPC 2026年3月期決算説明資料)
私どもは、JPCに対して約8年間にわたりエンゲージメントを継続してきました。その過程では、当社が本業において高い競争力を有する一方、資本政策については極めて慎重な姿勢を維持してきたことを繰り返し問題提起してまいりました。そうした中、今回、中期経営計画における資本政策の見直しとして、政策保有株式の売却加速、並びに、株主還元の強化が、具体的な方針として打ち出されたことには、大きな意義があると考えています。
また、当社は同決算の中で、パワー半導体接合向けの次世代接合材料の革新的めっき液の開発をトピックとして取り上げており、微細化が進む先端半導体パッケージングなどでの応用も期待可能とのことです。これらの成長領域での取り組みも、当社の更なる企業価値向上に繋がることを期待しています。
図3:パワー半導体向け次世代めっき技術の開発

(出所:JPC 2026年3月期決算説明資料)
私どもは、当社が従来よりも明確に資本市場を意識した経営へ移行し始めたと考えており、今回の対応をこれまでのエンゲージメントにおける一つの重要なマイルストーンとして受け止めつつ、今後の対応については改めてゼロベースで検討していく方針です。
以上
¹ 26/3期 配当金総額11.6億円、27/3期-28/3期は、発行済株式総数6,067千株から自己株式数264千株を控除した5,785千株に対して一株当たり230円を乗じた13.3億円を前提に計算
² 当社HPに4月30日に掲載:【メディア掲載のお知らせ】「化学工業日報」に当社記事が掲載されました。2026年4月30日付の化学工業日報 5面に「日本高純度化学、金属間化合物材料でメッキ薬品」の当社記事が掲載されました
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投稿一覧
2025年12月22日 - 日本高純度化学 中計の抜本的見直し及び特別委員会設置を要望する書簡送付及び進捗状況確認
2025年11月27日 ー 日本高純度化学は隠れAI銘柄!?~AIサーバー向け光トランシーバーに注目~
2025年10月27日 ー 日本高純度化学 決算発表コメント
2025年7月30日 ー 日本高純度化学の大量保有に関わる変更報告書の提出について
2025年7月7日 ー フジ・メディアHDのガバナンス問題の検証番組と日本高純度化学株式会社を絡めて
2025年6月27日 - 日本高純度化学株式会社の株主総会結果について(臨時報告書への見解)
2025年6月23日 ー 日本高純度化学株式会社第54回定時株主総会に参加しました
2025年6月16日 ー 日本高純度化学株式会社第54期定時株主総会における総会検査役の選任について
2025年6月11日 ー 日本高純度化学に対する公開キャンペーン内容の確定について
2025年6月7日 - ひびきの株主提案にISS推奨表明
2025年6月3日 ー 太陽ホールディングスを巡る動向と日本高純度化学に対する私どものキャンペーンを絡めて
2025年6月1日 ー 日本高純度化学に対する筆頭株主としての公開キャンペーンの実施について
2025年5月28日 ー 日本高純度化学株式会社に対するキャンペーンに関するダイヤモンド・オンライン記事掲載
2025年5月26日 ー 筆頭株主として日本高純度化学の社外取締役に対して意見要請を実施
2025年5月22日 ー 日本高純度化学に対する株主提案コメント
2025年5月21日 ー 日本高純度化学に対する筆頭株主としての株主提案の実施について
2024年10月2日 ー 日本高純度化学株式会社 取締役会への書簡送付について
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