Hibiki Path Advisors Website

Equity investing and advisory business

2025年6月26日 ー 株式会社アルファポリス定時株主総会に参加しました

約4分

2025年6月24日、主要投資先の株式会社アルファポリス(「アルファポリス」、又は「当社」)の定時株主総会にひびき・パース・アドバイザーズ(「私ども」)代表取締役CIOの清水雄也が参加致しました。議案としては剰余金の処分のみの総会でしたが、多くの株主から闊達に質問が出され、2時間近い非常に長い株主総会となりました。

業績は絶好調であり、株価も昨年から今年にかけて大きく上昇、また当社として初配当及び今期さらに増配予想という状況の中、株主からは事業内容、戦略やバランスシート、株主構成まで多岐にわたる質問が出され、梶本雄介代表取締役社長(「梶本社長」)は一つ一つの質問に丁寧に、自身の言葉で答えていたことが非常に印象的でした。

質問が多かったため個別の詳細は割愛致しますが、梶本社長の言葉の端々から強く感じられたのは、事業の好調を維持しているとは言え、現在の当社の立ち位置や事業規模に全く満足していないという成長意欲でした。

現在の当社はそれこそ「異世界もの」というニッチ分野では出版業界のトップの一角を担っていますが、アニメ化によるコンテンツライフサイクルの長期化や、コンテンツ分野自体の多様化、そして海外市場の深耕など取り組むべき課題は沢山あり、それに対してしっかりと結果を出しながら取り組んでいく意欲を示しておられました。

私どもとして大変興味深かったコメントは、会社のステージを変えていくために「メガヒット」を出すことが必要、これに挑戦していかねばならない、と梶本社長が語った点です。メガヒットの定義は、それこそ、ONE PIECEや、鬼滅の刃といった、全国民そして全世界から広く愛される作品という例えをされており、そういうものがあることによって、優秀な人材や事業機会、提携の機会など一気に多くの運と縁を引き寄せることが出来る、とのことです。確かに一理ある、と感じた次第です。

現状の、依然としてファミリー中心の株主構成やバランスシート上のキャッシュの使い方などに関しては、私どもや別の株主様からも質問が出されましたが、それに関しては、基本的には「先ず成長の機会を優先し、そのためにあらゆる戦略オプションを手元に残しておきたい」といった趣旨のご回答でした。私どもとしては、上場企業として流動性や株主数を増やすことで、企業の価値を高めていき、その「強い株価」を強い通貨のごとく使って有利なM&Aをする、いわゆる資本の論理を味方につける視点も強く持っていただきたいと考えています。反面、梶本社長ご自身が大株主として早い決断のグリップを維持し、事業成長機会を逃さずスピード感を持って追求していきたいという姿勢には、上場から今までの高い成長率を成し遂げたことから来る自信、そしてオーナーとして、当社をKADOKAWAと言った大手出版エンターテインメントグループに伍する企業となるまでさらに成長させるという覚悟と野望の大きさを感じさせます。

ちなみに、以下が日本の出版・アニメ・IP・ゲーム業界の主要企業の時価総額の比較となります。まだまだ確かにアルファポリスの成長物語は始まったばかりなのかもしれません。

図1:出版・アニメ・IP・ゲーム業界の主要企業比較

(出所:BloombergよりHibiki作成)

今回は初めて株主総会に参加し、梶本社長の「野望」とその「本気度」を確かめられる素晴らしい機会となりました。このように、成長の実績があり、野心もある経営者に対しては、引き続き叱咤激励型のエンゲージメントを続けて参ります!


尚、本投稿は特定の有価証券の申込の勧誘若しくは売買の推奨または投資、法務、税務、会計などの助言を行うものではありません。