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2025年7月1日 - 株式会社巴コーポレーションの株主総会結果について(臨時報告書への見解)

約4分

Hibiki Path Advisors(「私ども」、又は「弊社」)は、2025年6月27日に開催された株式会社巴コーポレーション(「巴」、又は「当社」)の、第93回定時株主総会において、当社株主の共同利益を確保するべく、株主提案を実施いたしました。6月30日に巴より臨時報告書が提出されましたので、私どもの見解を含めコメント致します。

先ず、私どもの株主提案である、第4号議案 取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)に対する譲渡制限付株式の割当てのための報酬支給の件に関しては約4%、第5号議案 剰余金の処分の件に関しては約10%の賛同を得ることが出来たことを確認できました。私どもの株主提案に賛同をいただきました株主の皆様には心より感謝申し上げます。有難うございました。

尚、四季報オンライン2025年夏号記載の当社上位11株主のうち当社関係者あるいは持合い関係株主と考えられる先、当社有価証券報告書にて当社と持ち合い関係にある先の内2025年3月末時点で保有株式数が確認できる株主、及び有価証券報告書記載の当社株式を保有する当社取締役(「巴関係者等」)を議決権行使株主から除外して賛否の割合を算出した場合¹、第4号議案には約8%、第5号議案には約21%と、それぞれ一般の個人株主や機関投資家株主等の一定の賛同を得た計算となります。

当社は2025年5月30日に「第3期中期経営計画『TOMOE BUILD up 5』修正に関するお知らせ」を発表し、25/3期に実行された不動産賃貸をコア事業とする関連会社の連結子会社化によって、ROE目標を当初の10%から5%へと大幅に下方修正しました。本件に関する具体的な弊社の見解や計算根拠は以前の投稿をご覧いただきたく存じますが、当社の税引き後の不動産含み益を考慮した実質ベースのROEは3.1%であると考えられ、ROE及びPBRを抜本的に改善していく意思がないのであれば、マネジメント・バイ・アウト(MBO)を含む株式非公開化についても検討すべきと私どもは考えます。

なお、当社と持合い関係にあった石井鐡工所(「石井」)は、2024年8月にMBOによる非公開化を発表し、その後、12月に上場廃止となっております。石井は、当社と同様に、本業とは関係の無い不動産(含み益は自己資本の2倍以上)を抱えており、「ROE改善に向けたDOE5%相当の配当」及び、「賃貸用不動産が有する含み益を加味した修正純資産を用いた数値を開示する定款の変更」について、株主提案を受けておりました。結果的に、石井は同不動産の時価評価を反映した価格での非上場化を決断しております。私どもとしては、巴も石井と極めて近い財務状況にあると考えており、賃貸不動産等の本質的な価値の顕在化を目指して、積極的なエンゲージメントを継続して参りたいと考えております。

持ち合いの悪しき慣行により、株主提案への賛同率が低く抑えられていますが、私どもとしては、巴関係者を除くと、今回の株主総会でも一般の個人株主や機関投資家株主から一定の賛同を得られたことを前向きに捉えております。引き続き当社の企業価値向上に向けて、株主としての権利行使を辞さず、諦めることなく取り組んでまいります。

この度、株主提案に賛同をいただきました株主の皆様に重ねて心より感謝申し上げますとともに、今後も引き続き応援をいただければと存じます。

¹巴の関係者あるいは持合い関係株主と推測される株主は反対したと仮定

(過去の関連する投稿)
2025年6月13日 - ひびきの巴コーポレーションへの株主提案に対して、ISS推奨表明
2025年6月5日 ー 株式会社巴コーポレーション 中期経営計画修正に対するコメント
2025年5月29日 ー 株式会社巴コーポレーション 株主提案について


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