2025年7月31日、ひびき・パース・アドバイザーズ(以下「私ども」)の主要投資先である株式会社アルファポリス(以下「アルファポリス」、「当社」)が、株式会社WHITE FOX(以下「WHITE FOX」)の買収を発表しました。
アルファポリスからのリリースは、以下をご覧ください。
株式会社WHITE FOXの株式取得(子会社化)に関するお知らせ
私どもとしては、この動きを歓迎・応援したいと思います!
M&Aを展開していきたい意向はかねがね伺っており、今回はそれがついに形となって現れた格好となります。WHITE FOXは『Re:ゼロから始める異世界生活』等の制作で知られる有名なアニメ制作会社ですが、2つの点でアルファポリスの戦略に合致する理想的なM&Aといえます。
一つ目は、日本のアニメ制作会社のリソースがひっ迫しており、アニメ化時期の遅れによる大きな機会損失が発生しうる事業環境だということです。実際、株式会社KADOKAWAは先行してチップチューンや動画工房といった数々のアニメスタジオの内製化を実行してきていることが広く知られていますし、彼らのグローバル戦略と豊富なIPライブラリーのLTVを計画的に、そして長期的に発展させていく上で必須の戦略であったと私どもは理解しております。翻って、ある意味チャレンジャーとも言えるアルファポリスは、UGC(ユーザージェネレーテッドコンテンツ)によるIPプラットフォーマーとして多くの潜在的アニメ化作品のポートフォリオを抱えており、「アニメビジネスの拡大」を掲げていることからスタジオ機能の内製化の意義は大変大きいといえます。
次に二点目ですが、WHITE FOXはアルファポリスが得意とする「異世界もの」をはじめ、関連領域での制作実績が豊富で、業界では名が知れていると同時にコアファン層からも人気が高い制作会社です。コアなアニメファンは国内外問わずスタジオの作画能力をこれでもかというほど重視し、今や、アニメ化作品の評価を大きく左右する無視できない要素となっています。そのような環境下で自社の得意な系統の作品を高品質で手掛けられるスタジオを確保できるということの戦略的意義は大きいものです。
尚、買収額及びそのバリュエーションに関しては公表されておりませんが、当社プレス発表に記載されている「純資産の15%未満」とすると約20億円未満となります。WHITE FOXの現在の利益水準からすると決して安いとは言えない可能性は拭えないですが、当社が自社のIPによる計画的及び安定的なアニメ制作を行えるバリューチェーンを構築出来るシナジー効果は中長期的には極めて大きな戦略的価値創造と言え、梶本社長の大きな野望を実現する上では、重要なプラスと私どもは感じております。
このように将来性が感じられ、株主価値の向上にも貢献することが期待されるM&Aであれば、私どもは株主として全力で応援し、今後の価値創造を楽しみに見守りたく存じます!
尚、本投稿は特定の有価証券の申込の勧誘若しくは売買の推奨または投資、法務、税務、会計などの助言を行うものではありません。