ひびき・パース・アドバイザーズ(以下、「私ども」といいます。)と投資一任契約を締結しているひびき・パース・バリュー・ファンド(以下、「HPVF」といいます。)は、4月20日、投資先の一社である株式会社TBSホールディングス(以下、「当社」といいます。)に対し株主提案書を送付し、受理されました。そして、5月14日、当社より、本提案内容が、取締役会の「反対意見」と共に公開されました。そこで、HPVFの株主提案書を本投稿の下に添付するとともに、株主提案に至った経緯をご説明します。
私どもは、昨年初めより当社に投資し、様々な形でエンゲージメントと応援をしてまいりました。2023年5月9日には、当社取締役会に対して企業価値向上施策ご提言書を送付の上で一般公開し、さらに、その説明動画も公開致しました。
当社は人々の心を強く捉える、大変質の高いドラマ制作力を有しており、さらに、2022年にはその高みを一層追求すべく300億円という予算を投じて「株式会社THE SEVEN」というドラマ制作子会社を設立し、世界を視野に入れ、コンテンツ創出力のあるメディア企業としてその強みを先鋭化されています。私どもは、このような当社の「強みをさらに磨いて攻める姿勢」には大いに期待を寄せております。
しかし、財務面を見ると、当社は、2023年12月末時点で8,000億円を超える投資有価証券を有しており(当社の純資産の80%以上を占めます。)、バランスシートが過剰資本化していることから、ROEは、他のキー局同様、過去10年間で一度も2014年発行の「伊藤レポート」において企業が目指す最低レベルとされた8%超えを達成出来ておりません。なお、先述の提言書内の図1を2024年4月末時点に以下の図に更新しましたが、昨年来の株価上昇により、時価総額が当社の純流動資産(現金及び市場性金融資産 – 負債合計)を下回る状態は解消されたものの、そのプラス差額は1,740億円程度であり、推定される不動産の価値を加味すると、実質的な保有資産の価値を時価総額が下回っており、市場から十分な評価を受けていない状態が継続していると考えられます。また、PBR倍率は依然として1倍を下回っております。
(出所)当社2024/3 3Q決算短信、ブルームバーグ
つきましては、当社の持続的な資本効率の改善と株式評価の大幅な向上に向けて、広く株主の皆様にもお問いかけをさせていただきたく、HPVFは年間配当を360円(過去3年平均の約10倍)に大きく引き上げる内容の株主提案をいたしました。先述の提言書p.10にお示しさせていただきました通り、このような配当水準を10年間継続することにより、純資産を規律ある形で縮減でき、ROEが継続的に、そして顕著に改善していくと私どもは考えております。
私どもは、当社が、事業面のみならず資本市場での評価においても日本のメディア業界をリードすべき企業であるとの想いから当社に投資をさせていただいております。そのような期待に今こそ応えていただきたく、叱咤激励の意味を込めて本株主提案とさせていただきます。
なお、本投稿について、特定の有価証券の取得の申込みの勧誘若しくは売買の推奨又は投資、法務、税務、会計その他いかなる事項に関する助言を行うものではありません。