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2022年6月14日 ー グンゼ株式会社 特色あるメディカルとプラスチックのグンゼへ

約3分

ひびき・パース・アドバイザーズ(以下、「ひびき」)は6月14日、グンゼ株式会社(以下、「グンゼ」)の経営陣に対しプレゼンテーション(下記リンク参照)を実施致しました。

グンゼは社名の由来に「(何鹿いかるが)郡の是(方針)」を持ち、125年超の歴史を有する老舗企業です。創業者波多野鶴吉は人材投資・教育(現代風に言えばESGのS)に熱心で知られ、かの安田善次郎から「金融家の私に、人を資産として見よとのご意見か?」と問われ「その通り」と述べたとされる逸話は、同社の経営姿勢を知る手がかりとなります。

そんなグンゼは紳士肌着のトップメーカーと知られ、女性用インナーやレッグウェアにも進出していますが、直近年度では営業利益の100%が「機能ソリューション事業」から生み出されています。一見しただけでは何をやっているか分かり辛い機能ソリューション事業の中には、収益性の高いエンジニアリングプラスチックやメディカル事業が含まれます。メディカル事業は縫合補強材や人工皮膚など、グンゼが高いシェアを誇る高付加価値製品により構成されています。こうした特長はマーケットに十分理解されていないように思われ、弊社の簡単なSOTP(サム・オブ・ザ・パーツ法)のよる試算によれば、株価にして50%以上のディスカウントを受けていると見られます。

グンゼは、東京支社ビルや電子部品事業部フィルム部門を売却するなど、事業ポートフォリオ経営に意識が高い企業であるとひびきは見て参りましたが、5月13日に発表された新中期経営計画では、収益性の回復に疑問のあるアパレル事業や本業とのシナジーに疑問のある不動産賃貸・スポーツジム経営等の扱いにメスを入れるような方針は見られず、結果として株価とバリュエーションは低下の一途を辿っています。

グンゼが今後事業ポートフォリオの見直しを加速させ、市場からの高い評価を勝ち取るための聖域なき経営判断を推進されることを期待し、ひびきは叱咤激励の意味を込めて同プレゼンテーションを実施致しました。

尚、本プレゼンテーションは、特定の有価証券の取得の申込みの勧誘若しくは売買の推奨又は投資、法務、税務、会計その他いかなる事項に関する助言を行うものではありません。

特色あるメディカルとプラスチックのグンゼへ