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2024年5月24日 ー 日本高純度化学株式会社 株主提案について

約3分

ひびき・パース・アドバイザーズ(以下、「私ども」または「ひびき」といいます。)と投資一任契約を締結しているひびき・パース・バリュー・ファンド(以下、「HPVF」といいます。)は4月19日、投資先の一社である日本高純度化学株式会社(以下、「JPC」または「当社」といいます。)に対し株主提案書をご送付し、受理されました。そして、5月21日、当社より、本提案内容が、取締役会の「反対意見」と共に公開されました。そこで、HPVFの提案書を本投稿の最後の部分に添付するとともに、株主提案に至った経緯をご説明します。

私どもは、当社に対して様々な形で長年エンゲージメントと応援をして参りました。当社には利益の成長にとどまらない、資本政策を充分に組み合わせた企業価値最大化に向けて邁進いただきたく、引き続き叱咤激励をしていきたいと考えております。

過去10年間¹ において、東証株式指数の配当再投資株価リターン(TSR)は128%でしたが、当社のTSRは半分以下の56%と大きく下回り、また、同10年間で当社の株価リターンが東証株式指数をアウトパフォームした年(暦年)は2016年と2019年の2度のみです。当社の「年率」配当再投資トータルリターンは4.5%であり、当社自身が3月に発表した株主資本コスト6~7%を大きく下回っております。半導体関連特殊化学液に従事する上場他社に比べてこれは著しく低い成果であり、資本収益性の改善は喫緊の課題であると私どもは認識しております。

過去10年の間に利益の成長がなされていないことは、一重に経営戦略上の問題でありますが、当社は、大きな設備投資が必要ないファブレス型で資金効率が極めて良い事業であるにも関わらず、その資金が株主還元に回らずバランスシートに長年蓄積され、2024年3月現在、総資産の約87%、純資産の約103%が、現金と投資有価証券で占められる極めていびつな状態となっております。

そのような経営・財務状況の中、過剰資本でROEが低い状態を改善する上で、私どもが必要と考える施策を株主提案とさせていただきましたが、当社取締役会は私どもの2つの株主提案にいずれも反対意見表明を行っております。私どもとしては長年にわたり対話を継続して参りましたが、当社経営陣からご理解をいただけなかったこと、大変残念に感じております。同取締役反対意見についての、私どもの見解をBusiness Wireに発表しております。そちらも御覧を頂ければ幸いです。
¹ 2013年12月31日〜2023年12月29日

株主提案書 日本高純度化学株式会社
2024年6月3日 ー 日本高純度化学株式会社 株主提案書 説明動画について


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